≪2008.6.14岩手・宮城内陸地震の観測生データ≫ ☆電磁データ 電磁波形 1/4 電磁波形 2/4 電磁波形 3/4 電磁波形 4/4 ☆震源と観測点の位置図 【考察メモ】 1. 前日発生した落雷の影響(1日前までの状況) @地震発生の前日6/13の07:50〜23:30にかけて東北北部地域に激しい落雷が発生した。発生状況スライドショー A6/13,同時刻帯に石巻,塩釜,岩沼の各局に電磁雑音の擾乱が観測されており,特に塩釜と岩沼の両局に激しい擾乱が観測された。(雷の影響と推定) Bまた,気仙沼,大六天,国見,栗原の4局は擾乱が観測されなかった。特に栗原局は殆ど感知されていない様に見える。 C栗原局において地震発生の15時間前,ノイズレベルの5db低下が1時間ほど継続し復帰した。 2. 1日〜2日前までの状況 @石巻,塩釜,岩沼の3局に目立つ変化が発生している。特に岩沼局の擾乱が大きい。(地震との相関は不明) Aこの日も栗原局において,ノイズレベルの5db低下が1時間ほど継続する現象が観測された。 B同時刻帯の落雷は観測されていない。 ※東北電力LLS観測による落雷がないということであり,雷注意報の発令有無,雷雲による電場形成の有無確認はしていない。以下同様の標記。 3. 2日〜3日前までの状況 @ほぼ前項と同じ様な状況で岩沼局の擾乱が大きい。 A大六天,国見,栗原はべた凪のノイズレベルを継続している。 B同時刻帯の落雷は観測されていない。※ 4. 3日〜4日前までの状況 @岩沼局擾乱のほかは特別な変化は見られない。 A大六天,国見,栗原はべた凪のノイズレベル。 Bただ,大六天の平常レベルが−28dbmまで低下しているのが気になる。当初設定は−22dbmであったが,季節変動によるものか観測システムの不具合によるものかは不明。 C同時刻帯の落雷は観測されていない。※ 5. 4日〜5日前までの状況 @石巻,岩沼局に擾乱が見られる。 A栗原局において,ノイズレベルの8db低下が1時間ほど継続する現象が観測された。 B大六天,国見はべた凪のノイズレベル。 C同時刻帯の落雷情報は未確認。(東北電力LLS情報の開示期間終了のため) 6. 5日〜6日前までの状況 @石巻,岩沼局に擾乱が見られるが変化は小さい。 A栗原局において,ノイズレベルの6db低下が9回観測されたが原因は分からない。 B大六天,国見はべた凪のノイズレベル。 C同時刻帯の落雷情報は未確認。(東北電力LLS情報の開示期間終了のため) 7. 6日〜7日前までの状況 @石巻,岩沼局に擾乱が見られる。岩沼局の擾乱がやや大きい。 A栗原局において,ノイズレベルの6db低下が数回観測された。 B大六天,国見はべた凪のノイズレベル。 C同時刻帯の落雷情報は未確認。(東北電力LLS情報の開示期間終了のため) 8. 7日以前の状況(6月5日19時まで) @全局に何らかのノイズ変化が見える。(このことによりシステムの健全性が確認できたといえる。) A特に,8日前には各局とも大きなノイズ擾乱が発生している。 Bこの擾乱時に雷注意報が発令されていたかどうかの確認は未であるが,(経験則で)ノイズの擾乱状況から判断すると雷の可能性が高いと思っている。 Cまた,栗原局においてノイズレベルの6db低下が数回観測されており,数時間の継続が見受けられた。(原因は不明) Dノイズ擾乱の発生した時刻帯の落雷情報は未確認。(東北電力LLS情報の開示期間終了のため) 9. 発生後1日〜2日までの状況 @地震発生直後に塩釜局のレベルが3db低下したように見えるが相関は不明。 A発生後22時間程度は各局のノイズ変動は無い。 B22時間経過後石巻,岩沼にノイズ変動が記録された。 C同時刻帯の落雷は観測されていない。※ 10. 今後の課題 @栗原局のレベル変動は他局と違う変動にも見えるので,引続き注視していきたい。 Aこの様なレベル変動をするケースとしては,付近に形成された静電場が何らかのトリガ(雷撃など)により中和され,再び静電場が形成されることなどが考えられるが定かではない。 B手持ちの過去データ(2007.7.18〜2007.12.26)を確認したところその様な記録は無く,年明け後からこの様な現象が発生しているように見えるため,最近のデータについて再確認したい。 以上 |